INFOMについて
INFOMは、近年の自然・生命科学や医療機器等の発達により、推進してきたNature and Forest Medicineに関する研究をさらに進めるとともに、自然界全域の医学研究水準も向上させ、保健や統合医療に役立てる。また、上記を国際的に共有し、世界的に反映させることを目的とする学会である。 注)現在当学会は、森林環境が持つヒトのストレス低減効果及び、それに伴うNK細胞の増加・活性化等、Nature and Forest Medicineに関する科学的データを保有している。
INFOM日本支部について
International Society of Nature and Forest Medicine(INFOM)は、2011年1月1日、日本の学者・研究者が中心となり立ち上げた自然と森林に関する国際医学会です。21世紀初頭から日本の研究者たちにより解明されてきた、森林が人体に与える予防医学的(癒し)効果についての論文その他が国際的に評価されました。
特に欧米諸国はじめ近隣諸国に注目された事から、世界各地の学者・研究者ら20名が検討を重ね設立したものです。20世紀半ばに酸性雨で森林・湖沼が壊滅的被害を被った北欧や西欧諸国には、大気や水の正常化機能を果たす自然装置が容量を超えた事を悟ったという歴史があります。
日本で行われた“森林環境下での人体に対する効果”の発見は予防医学的観点のみならず、森林を全世界で確保するための新しい、根拠のある説得材料としてその価値が重要視されました。国際的に成果を共有し、共働で研究の発展及び広報活動を行う事が必須です。2013年12月(2013年度末)現在、Scientific Committee of INFOM(理事に当る)メンバーは、日本を含め13ヶ国32名(日本8名、米国5名、韓国4名、フィンランド3名、台湾・ロシア・中国、各2名、アイルランド・ギリシャ・イギリス・オランダ・ノルウェー・オーストリア、各1名)です(2004年3月現在も新メンバーの承認のため全メンバーと連絡を取り、審査は作業中)。尚、上記の理由から医学会ではありますが、メンバーには林学をはじめとする自然科学系から社会科学系の学者・研究者等も含まれています。
現在は根拠となる研究の多くは日本発信ですが、COST(European Cooperation in Science and Technology)には2014年からBenefits of forests for public healthが開設される予定で、国を越えた国際協力が発足しているところです。
ところでINFOMの2013年度には、米国支部の設立が成立しています。今回日本支部設立がScientific Committee of INFOM の賛同を得て成立しました。海外諸国が森林医学の研究を始動する中、研究面でも先端を走る日本では、研究成果を一般の方々に享受していただく広報活動も行っています。日本の場合は研究成果を得た直後から、この成果を効率よく使用するための基地・ロード設置への動きが始まっていました。この事業は現在、特定非営利活動法人森林セラピーソサエティが、森林セラピー®基地・ロード認定事業として行っていますが、現在認定されている基地・ロードは(2014年4月時点で)32都道県に57ヶ所です。
INFOMは、Scientific Committee of INFOMの了解の下、学問分野とは異なる広報・普及活動としては唯一の事業として、日本においてこの基地・ロードで「医師と歩く森林セラピーロード」事業を、森林医学を理解されている臨床医の方々と3年間行ってきました。
この試動を経て、今般日本では「INFOM認定森林医学医」(主に臨床医、歯科医)の養成・認証が認められました。尚この制度の承認時の各国メンバーの意見の中には“我が国ではまだ先の事となるだろうが大賛成”という、広報・普及活動にも関われる日本の動向を羨望するメッセージもありました。
以上がINFOMの現状ですが、日本支部の皆様方には、今後もINFOMの「森林医学」を推進するために、また日本支部の発展のためにも、更に御助力いただければ幸いです。
4月吉日
INFOM会長 今井通子